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本の感想89

司馬遼太郎 「播磨灘物語」全四巻 講談社文庫
播州・姫路の土豪・黒田官兵衛孝高を主人公とした小説。

彼は、天下を取れるだけの策謀を持ちながら、その知性を利用して栄達せずとも、自らの好奇心を満たすことで満足し、天下取りの戦略を秀吉を盛り立てることにより描こうとした。

そして彼は秀吉の死後、関ケ原の一戦が起こる時、彼は「如水」と名乗り家督を息子に委ね九州に隠居していたものの、俄に天下取りの野望のために動き出す。

如水にとって九州、中国を攻略し、その手勢で京に旗を立てることなど造作も無いことだったが、天下分け目の一戦はわずか半日で終わってしまった。関ケ原が一年続いていたら天下はきっと彼のものになっていただろう。そして彼の最も凄いところは、そのチャンスが潰えたことが分かった瞬間、その野望を一瞬にして完全に手放してしまったところだ。彼にとって残念だったことは、天下を取れなかったことではなく、彼自身の素晴らしい手腕がそこで発揮できなかったことであろう。

彼に生臭い欲望はなく、ただ自分の能力、知恵を天下取りという舞台で発揮することに彼の興味の全てが注がれていた。彼は実利的なものを欲するのではなく、自身が描く「芸術」をただ表現しようとしただけに過ぎない。そのような生き様は、非常に憧れるものである。それだけの能力が無ければ、無理だけどね。

あとがきに、筆者は「友人にするなら、こういう男を持ちたい」とあるが、個人的には上司にも是非欲しいと思う。彼の元で働くなら、何一つ不安など持たなくて済むだろう。しかし、逆に部下には持ちたくは無い。きっと秀吉のように嫉妬してしまうだろうから。。。


司馬遼太郎の作品はこれまでいくつか読んできて、その中でも傑出した登場人物はたくさん出てきたが、最も魅力的な人物はこの黒田官兵衛を除いて他にいないのではないか、と思う。現在イチオシの作品である。

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  1. 2006/07/16(日) |
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本の感想88

森博嗣 「幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC」 講談社文庫
犀川&萌絵シリーズ。この作品は、後に紹介する「夏のレプリカ」と同時期に、そして無関係にストーリィ進行していく。本作品は奇数章しかなく、章のタイトルもすべて「奇」から始まる。「夏の~」の方は逆に偶数章しかなく、章のタイトルは「偶」で始まる。こういった細工がとてもよく出来ていると思う。
解説はプリンセス天功。

  1. 2006/07/03(月) |
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本の感想87

ダン・ブラウン 「ダ・ヴィンチ・コード」上中下巻 角川文庫
映画化もされた話題作。
聖書だとか聖杯伝説だとか、キリスト教にかかわりの薄い日本人には一見馴染みにくいように思えるが、決してそんなことは無く、むしろ逆にそういった話題を知らない人がそれらを理解しやすいようになっている。
とても頭を使いそうな印象があるかもしれないが、全くそんなことは無く、頭を使わないで知的興奮が楽しめる点で、非常にお茶の間向けな作品だと思う。これが教会などに対してどういう影響を与えるかは僕は良く分からないが、エンターテインメントという観点から見れば、紛れも無い傑作だといえよう。映画も是非見てみたい。さらに、この作品は主人公ラングドンが出てくるシリーズ第2作ということで、是非一作目もそのうち読みたいと思う。

  1. 2006/07/01(土) |
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本の感想86

浅田次郎 「壬生義士伝」上下巻 新潮文庫
南部出身にして新選組の一員であった吉村貫一郎の物語。
彼に関わった人物の語りという形で物語は進行していく。
流石は浅田次郎というべきか、随所に感動できる要素がある。
特に、斎藤一の最後の台詞は涙ものだった。

また、新選組などに関わるエピソードも満載なので、新選組ファンにとっては「燃えよ剣」とともに欠かすことの出来ないアイテムであろう。

幕末という、何が正しくて何が悪なのかという絶対的価値観が存在し得ない状況の中で、吉村貫一郎は、彼自身の「義」を貫き通した。その精神力、そして自らを律する精神は尊敬に値するであろう。

  1. 2006/06/21(水) |
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本の感想85

森博嗣 「封印再度 WHO INSIDE」 講談社文庫
S&Mシリーズ第五弾。タイトルが同音になっている。この話はトリックが個人的には好きだ。謎が自分で解けなかったのが悔しい。
また、キャラに愛着のある人(特に犀川と萌絵)にはたまらないと思われるエピソードもある。

  1. 2006/06/06(火) |
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本の感想84

井上靖 「風林火山」 新潮文庫
この作品は2007年の大河ドラマの原作である。
戦国時代、甲斐の大名武田信玄に仕えた山本勘助の生き様を描いた作品。
戦国の雰囲気がとてもありありと描かれている。

大河ドラマでは上杉謙信をGacktがやるそうです。サプライズ選出ですよね。
なので、読んでいて謙信が出てくるたびに、「あぁーいしてもいいかーい?」というGacktの歌が頭の中をエンドレスリピートしてしまい、困りました。
大河、今からとても楽しみです。

  1. 2006/05/20(土) |
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本の感想83

司馬遼太郎 「坂の上の雲」全八巻 文春文庫
主に秋山好古・真之兄弟、正岡子規という人物を中心に日露戦争時の日本を描いた作品である。鎖国していた日本という国が、そこに住む人間たちが、世界を覆う帝国主義という時代を、まさに坂の上の雲を目指して登って行く様子がありありと伝わってくる。

さて、この作品について、そして読んで思ったことをいくつか語っていきたいと思う。ネタバレもあるので注意されたい。


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  1. 2006/05/11(木) |
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本の感想82

森博嗣 「詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE」 講談社文庫
S&Mシリーズ第4弾。
本作はシリアルキラーをテーマにしているので、発生する殺人事件に少々アーティスティックな雰囲気が漂う。小説ならではの味わいだ。
殺人のトリックに使われてコンクリートの試験体を我が子のように守る研究員の姿が印象的だった。他の誰が見てもただのコンクリートの塊に過ぎない物体を大切に守るというのは、研究員に課せられた使命であり、またそこから、どことなく儚さも感じさせる。

  1. 2006/04/09(日) |
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本の感想81

司馬遼太郎 「城塞」上中下巻 新潮文庫
時期的に「関ケ原」の続編にあたる。いわゆる大坂冬の陣、夏の陣を描いた小説。
この作品にも、様々な登場人物が出てくるが、なかでも印象に残った人物を挙げていこうと思う。
まず、真田幸村。彼は、稀代の才能を持つが、その能力を世で評価される機会が無かった。そして、豊臣家につくことによりその実力を世に知らしめようとした。しかし、彼の持つ戦略も、豊臣家の腐敗ぶりに足を引っ張られる結果となってしまった。
そして、小幡勘兵衛。彼は天下を取るという野望をも持ちうるほどの実力を自負していたが、その運を持たなかった。豊臣家に潜り込むことでその野望を再び達成しようと目論むが、彼の野望を阻むのはやはり豊臣家の腐敗ぶりだった。
逆に、徳川家康は、彼らに比べると、非常に強運だったと言うべきか。小説中では、極悪非道のように語られているが、彼にとって豊臣家の腐敗というのは彼の「豊臣家を潰す」という目的にとって非常に利用価値があり、目的達成のための追い風になっていた。

豊臣家の腐敗ぶりは、もちろん彼らの持つ、「豊臣家の栄光」という概念にあるのだが、結局は秀吉一代のものだった、ということであろう。そして豊臣家の実権を握る淀殿のもつ躁鬱のようなヒステリーも家康に対抗する手立てを妨げるものになってしまった。

そしてもはや実質、戦略性といったものを持たない豊臣家を執拗に潰そうとした家康はチキンとしかいいようが無いのであろうが、しかし、彼こそ人間の本質的な部分を垣間見せているような気がするのである。戦況が完全に自軍に流れが来ていても決して安心できず、何らかの手を打つ。彼はその長い人生の果てに天下を取ろうとも、決して安心することは無かった。そういった不安に苛まれる姿に、なぜだろう、僕はとても共感を持ってしまうのだ。

もちろん作者はこの作品で家康を非道の悪者として描いているが、逆に共感を持ってしまう僕は天の邪鬼なのだろうか?

  1. 2006/03/14(火) |
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本の感想80

東野圭吾 「ある閉ざされた雪の山荘で」 講談社文庫
本格推理小説であるのだが、前提条件に置いて少し変わった工夫が施されている。しかしそれでも本格推理小説の持つ面白みはいささかも損なわれていない。主人公っぽい男がいるのだが、彼のエンディングにウケた。

そういえば東野さんは直木賞をついに受賞しましたね。おめでとうございます。

  1. 2006/02/04(土) |
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本の感想79

森博嗣 「笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE」 講談社文庫
シリーズ第三作。
ネタバレだらけではあるが、本作品に含まれる大量の「謎」、その一部を紹介していきたいと思う。


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  1. 2006/02/03(金) |
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本の感想78

石田衣良 「4TEEN」 新潮文庫
こちらも昔単行本で読んだ作品ですが、少し前に文庫化しました。

本作品は、村山由佳「星々の舟」と同じく、第129回直木賞作品である。
月島に住む4人の少年の物語を描いた連作短編の形式を採っている作品だ。

この人の作品は、非常に「東京の街」の扱いが上手い。僕は月島に行ったことは無いが、読んでいて佃大橋や、もんじゃ焼き屋、高層マンションなどの情景が、ありありと目に浮かんでくる。「池袋ウエストゲートパーク」シリーズや「アキハバラ@DEEP」、さらには恋愛短編小説の「1ポンドの悲しみ」などでも、この持ち味がふんだんに発揮されている。

さて、ストーリーの方だが、彼らの普通の、かといって決して平凡というわけではない、生活が描かれている。特に14歳という様々なことに敏感な年頃である。友人関係、学校、性、様々な人との触れ合い・・・。そして個性豊かな登場人物。物語を読んで行くと、あたかも自分が5人目の彼らの仲間として一緒に生活している・・・。そんな感覚さえ持たせてくれる。

個人的には、拒食症の女の子の話が好きです。このムズ痒さがたまらない、って感じです。


これを書くにあたり、昔書いた感想(石田衣良「娼年」)も改稿しました。

  1. 2006/02/01(水) |
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本の感想77

村山由佳 「星々の舟」 文春文庫
昔読んだ最近文庫化されたようなので、感想を書くことにしてみました。

本作品は、石田衣良「4TEEN」と同じく、第129回直木賞作品である。
この人の作品は、とても題材がとっつきやすく、平凡な印象を受ける。しかしそれは、読者として、非常に世界に入り込みやすいという利点を持つ。本作品も、よくある(?)禁断の愛の物語や、過去の傷痕などの話で、その痛々しさがストレートに伝わってくる。しかし救いようの無い話でも無いので読後感もなかなかすがすがしかった。



本作品とは関係ないが、村山由佳さんのデビュー作である「天使の卵(エンジェルス・エッグ)が今秋映画化するらしい。

http://www.shueisha.co.jp/angel/movie/

メインの登場人物は、市原隼人、小西真奈美、沢尻エリカ。なかなかの豪華布陣である。ロードショウが近くなったらそこそ話題になるであろう。
このページを見て思い出したが、この人もメディアへの露出が好きだよなぁ・・・。

  1. 2006/01/31(火) |
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本の感想76

最近、本は読んでいるのですが、長くて一向に読み終わらないので昔読んだ本をどんどん紹介していこうと思います。



森博嗣 「冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM」 講談社文庫
前作「すべてがFになる」は、かなりSFじみたところがあったが、今作は、比較的本格推理に近い仕上がりとなっている。しかしそれでも、ネットワークの話など、今までの探偵小説には無い斬新な話題も取り入れられており、飽きさせない。本作の個人的目玉(?)である国枝桃子のネタもあり、犀川先生を大いに驚かせていて、面白い。

  1. 2006/01/30(月) |
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本の感想75

東野圭吾 「悪意」 講談社文庫
(ネタバレになってしまうかもしれないので注意してください)


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  1. 2005/12/31(土) |
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本の感想74

森博嗣 「スカイ・クロラ」 中公文庫
この作品は、前回紹介した「S&Mシリーズ」ではなく、別シリーズの第一作である。詳しくはこちらを参照されたい。
S&Mシリーズで御馴染みの「謎解き」及び登場人物の掛け合いなどは存在せず、純文学に近い作品に仕上がっている。その分、著者の本当に表現したかったものが窺えるような気がする。
生と死の観念、空を飛んで人を殺す右手と感情の乖離を丹念に描き、さらに人間関係の細かい説明を与えないことによる見事な表現。ミステリィとは違った土俵でもこれだけの作品を描ける、この作者のポテンシャルの大きさを再認識した(むしろミステリィよりもこちらの方がいいかもしれない)。

  1. 2005/12/14(水) |
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本の感想73

森博嗣のS&Mシリーズ全10作も読み終えたことなので、少しずつ感想を述べていきたいと思う。

今回の感想は、某大学の助教授である森博嗣のミステリィ「犀川創平&西之園萌絵シリーズ」(通称S&Mシリーズ)と呼ばれる10作の第一作である。理系ミステリィとか言われているが、個人的にはそういうカテゴリ分けは不適切で、森博嗣独自の世界観を表現している、と解釈している。


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  1. 2005/12/13(火) |
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本の感想72

小川洋子 「博士の愛した数式」 新潮文庫
本作品には、たくさんの数学関係の用語が出てくる。特に素数などの自然数論が主である。
そして、それらがいかに美しい存在であるかというのを、ここまで表現されると、どうしようもなく嬉しくなってしまう。
220と284の関係、714と715の関係。それらは本当に神様が与えた、と思いたくなるような強固な結びつきを持っている。そして極めつけは、江夏の背番号。阪神タイガースと数学がここまでリンクされているという点も、数学の美しさと並行して語られていることに読んでいて驚くばかりであった。余談だが、現在の阪神の江夏の番号を継承しているのは福原忍である。そしてこの番号と同じ性質を持つ背番号の金本知憲。この二人は間違いなくともにチームの有力者だ。今年の優勝について、この偶然に思いを馳せてみたくなってしまう。
そして数式に対しての家政婦の詩的な印象も魅力的だ。

この数式に対し、「先頭の記号がどうにも頭でっかち」で、「その頭でっかちを、最終的に、一個の0が支えている。」と表現しているのだ。なんて素敵な表現なのだろう!数学的に重要な定数である超越数e、πを使い、更に「恥ずかしがり屋」の虚数単位iを用いた式。その美しさを清明な言葉で存分に表現されているのを見たとき、初めてこの式を知ったときの感動以上のものが押し寄せてきてしまった。
本当に単純で平凡な式にでも、その価値をひとつひとつ与えていく。改めて数学の持つ神秘さと美しさに驚嘆することが出来た。数学好きにはもちろん、数式なんて見たくも無い、という人にも是非読んで欲しい作品である。映画も是非見たい。深津さん出るし。

  1. 2005/12/11(日) |
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本の感想71

司馬遼太郎 「関ケ原」上中下巻 新潮文庫
この「関ケ原」という作品中には、非常に多くの登場人物が出てくる。様々な性格、境遇に置かれた大名たちが、それぞれどのような行動をとっていくのか、また、彼らを家康、三成はどのように従え、あるいは味方につけていくのか・・・。これらからおのおのの人物に対する読者の好き嫌いが出てくると思う。

特に家康は筆者も嫌いらしく、かなり嫌な人物として描かれている。家康は確かに腹黒いし、関東八州、255万石という超膨大な力をバックにした上で、多数の大名の弱み、性質を見抜いた上で利用していく姿は共感が非常に持ちづらいと思われる。しかし、彼はそういった精神を貫いたからこそ、天下を取ったのであろう。厳密な比較はできないが、現代でも成功している(儲けている)人間というのはそういった人物ではなかろうか。大量の資産に物を言わせた株の買い占め、寡占独占、M&A・・・。
家康は、確かに見ていて気持ちのいい男ではないが、成功者としてはものすごくいい見本になると思われる。真似したいかどうかは別にして。

しかしやはり、三成は官としては優れていたが、将として決定的に欠けているものがあった。しかしその信念に対する執念には圧倒される。そして島左近や宇喜多秀家、大谷吉継など少数の西軍の部隊が大勢の東軍を相手にする生き様が印象的だった。


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  1. 2005/11/21(月) |
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本の感想70

司馬遼太郎 「燃えよ剣」上下巻 新潮文庫
ようやく読み終わった!
このコーナー、実に3ヶ月以上更新が滞っておりましたが、ついに来ました!
この本はかなり前から読み始めていたのですが、下巻を実家に忘れたり、紛失したりで全然読めてませんでした。おかげで読み終わるのがかなり遅くなったというワケです。。


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  1. 2005/10/18(火) |
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本の感想69

村上龍 「69 sixty nine」 集英社文庫
結構前に読んだのですが、何故か感想を書いていないことを思い出し、ちょうどいいので思い出しながら書いてみようと思います。
これは率直に言って面白いです。笑えます。
村上龍というと、結構ダークな印象が強いのですが、本作は本当に爽やかです。例えば校長室のエピソードなんか本当に爽やかです。食事中の方すいません。
映画の方は未だに見ておりません。地元に帰っていたときに近所のTSUTAYAに行ってみたところ、レンタル用DVDをほとんど仕入れておらず、憤慨したままそれっきりでした。映画の方も周りでは大評判なのでいつか必ず見たいです。校長室の話も映像化されているということなので、見ないわけには行きませんね。またもや食事中の方すいません。

作品に対する感想をちょこっと。
高校生の青春と言うのは、失った立場からすると嫉妬あり、微笑ましさあり、という微妙な目線から見てしまいます。しかし、登場人物が本当に楽しそうに生きているのがとても印象的です。このような青春を送りたかったとは思いませんが、是非自分もこの先楽しみながら生きて行きたいものです。

  1. 2005/06/29(水) |
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本の感想68

村上春樹 「風の歌を聴け」 講談社文庫
たまたま本屋で暇つぶしのためにちょっと立ち読みしていたらどうも気になってしまい、再読しました。
様々な解釈の出来るエピソードなどもたくさんありますが、それらには特に触れず、一夏の記憶をたどった小説という観点から感想を書いて行きたいと思います。

「僕」は21歳。奇しくも自分自身と同じ年齢です。いつも「鼠」とバーで酒を飲み、様々な人と出会い、喪失感を味わって行く。全てのものは流れ去って行く。何一つ手にすることなど出来ない。
それは今この感想を書いている自分自身が直面している問題であり、きっと認めなくてはいけないことなのだと思う。自分の前に現れたもので、自分の前から去らないものなどない。この小説の主人公はそれを受け入れている。そして「僕」は「強い人間などいない」という。「鼠」はそれを受け入れることは出来ず、この感想を書いている自分自身もそれを受け入れられない。

書いているうちに言いたいことをうまく表現できないような気がしてきてしまいました。いろいろ現実に悩んでいるときに読み直すといい小説かも知れません。雰囲気だけでもものすごく高級な作品だと思います。しかしあえて言えば、自分の年代には簡単に認められないもの、一言で言えば「自分の弱さ」と「執着の無意味さ」を認めることが29歳の視点から記述されているというのをこの小説の(自分が解釈すべき)メッセージだと受け止めてみたいと思います。
自分が読んだらこういう感想になりましたが、他の方が読んでもこういう感想にはならないと思います。しかし、自分にとってはやはり意義深い作品であり、何度も読み返したい作品でもあります。

  1. 2005/06/27(月) |
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本の感想67

三島由紀夫 「盗賊」 新潮文庫
心理描写をこれほどまでに表現できるのには脱帽するしかない。ここまで言葉を見事に操ることができるのが本当に羨ましい。日本語は斯くも美しい言語だったのかと認識させられる作品。

  1. 2005/06/07(火) |
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本の感想66

司馬遼太郎 「梟の城」 新潮文庫
自らの美学を追い求める葛籠重蔵と、手柄を上げ、出世することを目論む風間五平。二人の伊賀忍者の全く性質の異なった生き様が描かれている。
個人的には、ラストの重蔵と秀吉のやり取りが印象的である。また、戦闘シーンも迫力満点であり、読んでいてとても楽しめる作品である。

  1. 2005/05/07(土) |
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本の感想65

遠藤周作 「留学」 新潮文庫
この作品は、それぞれ独立した三つのストーリーがあるが、それはいずれも、ヨーロッパに留学する青年の苦悩、挫折を描いた小説である。

「ルーアンの夏」では、カトリック神学生として留学するが、ルーアンの街の人々は、悪意のない親切を主人公に押し付け、主人公がカトリックを日本に布教することを過剰に期待する。主人公は彼らと熱い思いと自分の冷めた感情の間に挟まれ苦悩する。

「留学生」では、主人公は日本人司祭となり、切支丹禁制の時代に日本へ布教することを要求されるが、主人公は宣教師らを「死をも辞さぬ英雄主義にかられている」とし、「信徒たちに殉教の夢を強いている」と考え、不満を感じる。

「爾も、また」では、マルキ・ド・サド研究のため渡仏するが、サドと自分の生き方の根本的な違いを認識し、また自らのサド研究の動機の卑小さに苦悩する。そして文化という大きな河の前に立ち尽くすほか無いことを感じた主人公は絶望する。

「留学生」にしても、「爾も、また」にしても、最終的に挫折し、諦めることによって一種のカタルシスを得ているように感じた。日本とヨーロッパのそれぞれが長年築き上げていた文化を、たった数年で吸収できるわけが無いという絶望感に打ちひしがれる。しかし、その本質を見極めようとした点に置いては失敗ではなかったのではなかろうか。小説中では、成功している人物は、そのうわべだけを掠め取ってその本質、大いなる大河を見て見ぬ振りをしているに過ぎないのだから。挫折はしたが、その本質から目を逸らさなかった主人公には共感が持てるし、立派だとも思う。成功した人物ではなく、挫折した人物を描くことによって、その本質に肉薄できているのだろうと思う。

  1. 2005/05/01(日) |
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