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本の感想56

遠藤周作 「海と毒薬」 新潮文庫
人間を殺すこと――通常、それは誰もが「罪」であるということを認めるだろう。しかし、強烈な保身や嫉妬の感情に駆られたり、周囲の状況に逆らい自分の意見を主張できない弱さを露呈したとき、通常持ち合わせている倫理観などは吹き飛んでしまう。過ちを犯した登場人物たちを一笑に付すことはできない。彼らの状況に置かれたとき、少なくとも自分は彼らのとった行動をしないとは言えない。いや、してしまうのだろう。
この作品が書かれたのは戦後すぐであるはずだが、この作品が示唆する問題は現代において、より顕著になっているように思う。恐喝され親の預金通帳から数百万を下ろしてしまったり人を傷つけても何の罪の意識にも苛まれない子供の話など枚挙に暇が無い。特に現代の子供たちはこうした罪の意識を持たぬまま成長してしまっているのではないか。もちろん自分も例外ではない。
誰かを傷つけたままその事実を無かったものとして忘れ去ろうとしていることもある。しかもそれらを隠す理由の大部分は、自分の現在の立場を守るため、自分の未来の芽が摘まれるのを恐れるためではないだろうか。3人の事件の当事者の中で、自分は戸田に最も親近感(決していい意味ではない)を持った。「俺が怖ろしいのはこれではない。自分の殺した人間の一部分を見ても、ほとんどなにも感ぜず、なにも苦しまないこの不気味な心なのだ。」という戸田の心境を表現した文が何とも言えず身に応える。

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  1. 2005/03/21(月) |
  2. 本の感想!|
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  4. comments(2)|

この記事に対するコメント

 ・はじめまして。

 いろんなブログみててとんできました。
本の感想が、面白かったです!遠藤周作の本、読んでみたいなって思いました!これからも、色んな本の紹介してください!
たのしみにしてま~す。

  1. ひーたん
  2. |
  3. 2005/03/23(水) 19:35:26 |
  4. URL

 ・コメントありがとうございます♪

 ショボい感想で恐縮です(^^;)もし僕の感想で少しでも興味持ってもらえたなら凄く嬉しいです!これからもよければコメントくださいな♪

  1. じゅん
  2. |
  3. 2005/03/23(水) 20:28:19 |
  4. URL

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▼海と毒薬
戦時中、軍の指示で捕虜の解剖実験に携わった医療関係者の苦悩や葛藤を描く・・。 白黒映画なのだが、手術シーンや解剖シーンは、下手なホラー映画なんかよりずっとグロい・・。覚悟して見て下さい。 原作は遠藤周作。彼の作品は、人の苦悩や葛藤を描くものが多く「深い河.

  1. 2005/04/29(金) 21:34:19 |
  2. 淡々と映画や本を語るブログ

▼現実におこった事件の前に暗い海がひろがる
遠藤周作著「海と毒薬」 戦争末期におこった恐ろしい事件を小説化したもの。 ・・・ほんとに恐ろしかった。ひ~という感じだ。 ある大学付属病院で米国捕虜の生体解剖がおこなわれる。 遺体の解剖ではなく生体のままで・・・ひ~。 人間とはどういう生き物なのか。そう問わ

  1. 2007/06/10(日) 12:51:09 |
  2. 読書、むりかい。
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