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本の感想79

森博嗣 「笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE」 講談社文庫
シリーズ第三作。
ネタバレだらけではあるが、本作品に含まれる大量の「謎」、その一部を紹介していきたいと思う。


この作品は推理小説であるから、犯人はトリックを使って被害者を殺害し、探偵役である助教授・犀川創平とその教え子・西之園萌絵がそのトリックを暴いていく。さらに、舞台となる山奥の館では、「像が消える」といういわくがあり、像が消えた瞬間殺人が起こるという定番的展開。

殺人のトリックも複雑怪奇なものでもないし、オリオン像が何故消えたかについては、話の冒頭から分かってしまった。まるでトリックを読者に勘付かせたいのではないか、と思ってしまうほどだ(ちなみに、少し似たトリックが「金田一少年の事件簿」のノベルスにもあった。航海士の話である)。

しかしもちろん、「こんなトリックかよ、つまんねーの」と思わせることが、本当のトリックなのである(と著者自身も言っている)。本当に難しいトリックは他に用意されている。読み終わって「トリック簡単だったよ、アハハ」と言っているだけの方は、まさに森博嗣の術中に陥っているのだ。ミステリィを読む際に、トリックのみを気にしてしまう、という読者の思い込みを利用したトリックを用いているのだ。


さて、一番大きな本当の謎の一つはストーリー中に出てくる。クライマックスに犀川と天王寺翔蔵の会話がある。白骨化した死体、地下室に住む人物、あとどこかに失踪してしまった人物(ラストで少女と会話をしている人物であろう)。この三人がそれぞれ、天王寺翔蔵、天王寺宗太郎、片山基生の3人の誰かなのである。地下室の人物はこの解を「不定」と呼ぶ。

しかし、答えは用意されている。コレがこの作品の一つの読者に与えられた「謎」なのである。多分ね。

大分前に読んだ都合で細かい伏線を忘れてしまったのでパラパラ読んで思い出せる分だけ記しておく。とりあえず一人だけ解をここで与えておく。

白骨死体以外の人物は、実際に登場し、その人物像が示されている。それらと、ストーリー中で話題になっている天王寺宗太郎(作家)、片山基生(建築家)の二人の特徴と照合していけば、解が得られる。残った白骨死体が天王寺翔蔵ということになる。

この作品のタイトルから考えても、「天王寺翔蔵=白骨死体」というのは納得できるだろう。「笑わない数学者」の数学者とは天王寺翔蔵を指すのは間違いない。そして地下室の人物、少女と会話する老人はともに笑う。白骨死体は笑わない。

ここまで考えて初めてタイトルの意味がわかるというのは恐れ入るという以外に言いようが無い。個人的にはシリーズ屈指の作品だと思う。

あとは作品中には正解が示されていない算数の問題がある(ビリヤードの球の問題)。コレを考えてみるのも面白いだろう。

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  1. 2006/02/03(金) |
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